uhy.oooを移管した話

筆者が持っているドメインのひとつに uhy.oooがあります。実はこれを最近移管したので、皆さんの役に立つ情報が残せるかもと思い顛末を記事することにしました。

背景

トップレベルドメインを運営する組織のことをレジストリといいます。 .ooo の場合、インドのInfibeamという企業により運営されています。究極的には、レジストリに対して使用料を払うことでドメインの使用権を得ることができます。しかし実際には、我々一般利用者がレジストリと直接連絡を取ることはありません。代わりに、レジストリへの登録作業などを請け負う業者を介してドメインを登録・管理します。この業者のことをレジストラといいます。

筆者はuhy.oooを2016年の7月に████████というレジストラを通じて登録しました。ドメインは年単位で利用料を払うことができ、期限が来る前に更新する(追加で利用料を払う)ことで期限を延ばすことができます。uhy.oooを登録したときの気分で2年分利用料を払っていたので、期限は2018年7月に来ることになります。

期限から一ヶ月前、████████からドメインの期限1ヶ月前を知らせるメールが来ました。筆者は更新手続きを行いました。普通ならそれでドメインの利用期限が1年伸び、何の問題も無いはずなのですが、今回は違いました。

翌日になって、「ドメインの更新ができませんでした」というメールが届きました。というのも、レジストリの仕様変更が原因で████████のシステムでは .ooo の取り扱いができなくなってしまったというのです。これは、████████では事実上 .ooo ドメインの取り扱いが終了したということです。████████からは、 .ooo の取り扱いがある別の業者に移管することを勧められました。移管というのは、読んで字のごとく、ドメインを管理するレジストラを別の業者に変えることです。というか、ドメインを維持するにはそれしか手段がありませんね。(ちなみに、████████の登録可能TLD一覧にはまだ.oooが載っていますがいいんでしょうか。)

ドメイン移管の手順

一般に、ドメインの移管というのは次の手順をとります。

  • ドメインの移管ロックを解除する。
  • ドメインの認証コード(AuthCode)を取得する。
  • ドメインwhois代理公開サービスを利用している場合、そのサービスを解除する。
  • 以上が終わったら、移管先のレジストラに移管を申し込む(AuthCodeはこのとき必要になる)。

最初の3つは普通のレジストラならドメインの管理画面から簡単に行うことができます。ところが、今回はここが一筋縄ではいきませんでした。

移管までの苦労

まずドメインの認証コードは管理画面から取得できました。次にドメインの移管ロックを解除するボタンを管理画面で押しました。すると、なんとエラーが出たのです。エラーメッセージの内容を具体的に書くことはしませんが、 .ooo の取り扱いが終了してますよ感がひしひしと伝わってくるメッセージでした。 なので、さっそく████████に問い合わせました。その結果は、レジストリに連絡してロックを解除してもらうから待ってねという内容でした。そして、問い合わせから一週間後、無事に移管ロックが解除されました。

████████の問い合わせ対応自体は迅速でしたが、レジストリ側の対応に時間がかかったのではないかと思います(████████の返事を信じるならですが)。普段なら一瞬で済むことが、システムを介さないとこんなに時間がかかってしまうんですね。

そして、これは筆者の不手際なのですが、実はこの段階で初めてwhois代理公開サービスを解除する必要があることに気づきました、管理画面からwhois代理公開サービスを解除するボタンを押しました。無事エラーが出ました。ということで、再び████████に問い合わせました。2往復目のレジストリとの連絡には4日かかりました。

実は、この時点でドメインの有効期限が2日後に迫っていました(████████とのやり取りに土日を挟んだり、ドメインの更新ができませんでしたメールに気づくのが少し遅れたりしたため)。最初と同じようにレジストリとの往復に一週間かかったら間に合わない計算なので、かなり焦っていました。というのも、ドメインの移管はドメインの有効期限前でないとできないからです。

ぎりぎりになりましたが、これで移管できる条件は揃いましたので、さっそく新しいレジストラに移管を申し込みました。ちなみに移管先のレジストラは .ooo の公式っぽい雰囲気を醸し出している http://buy.ooo です。最初は日本のレジストラで検討しましたが、日本のレジストラドメインの有効期限の15日前とか30日前までしか移管を受け付けてくれない点や、そもそも .ooo の移管は取り扱っていないところが多いという点から断念しました。

そして、いざ移管申し込みフォームから移管を申し込むと、しばらくしてAuthCodeが間違っているというエラーが発生したのです。

ちょっと調べてみると、AuthCodeというのは一般には定期的に変わるものであることが分かりました。つまり、AuthCodeはシステムエラーに遭わずに取得できたと思っていたものが、実は裏ではしっかりシステムが止まっており最新のAuthCodeに更新されていなかったということです。

さっそく████████に問い合わせを行い、絶望の3往復目が始まりました。ドメインの有効期限まで残り2日で、しかもこの最後の2日というのが土日だったので、もはや有効期限内にドメインを移管するのは絶望的に思えました。

しかし、ここで奇跡が起こりました。なんと問い合わせから13時間後に新しいAuthCodeを返信されてきたのです。これがなぜこんなに早かったのかはよく分かりません。レジストリをものすごく急かしたのか、それともシステムが無くてもAuthCodeは比較的速く取得できる仕様なのかは不明です。

ということで、この新しいAuthCodeを用いて、ドメインの有効期限前日になんとかドメインの移管を完了することができたのです。

所感

ドメインの期限が切れた場合のことを考えると憂鬱でした。システムが対応していないので .ooo の更新ができないと主張する████████の尻を叩いてなんとかドメインの更新を強行させるのか(それがそもそも原理的に可能なのかも分かりませんが)、それが不可能ならばドメインが切れてから改めて別のレジストラで取得しなおすしかないわけです。

後者は、ドメインの期限が切れてから再取得が可能になるまでの間(典型的には45日間)、 uhy.ooo にアクセスが不可能になるというデメリットがあり、さらにドメインの取得は早い者勝ちなので別の誰かに取られてしまう危険性があり、たいへんリスクが大きいのです。

であるからこそ、今回なんとかドメインの有効期限が切れる前に移管してドメインを維持できたことはたいへん嬉しく思います。また、████████の担当者の方もドメイン移管のために尽力してくださり、感謝しています。最後のAuthCodeの件は土曜の深夜1時にメールが返ってきました。

とはいえ、████████はこちらがドメインを更新しようとしてはじめてそれが不可能であることを知らせてくるのはどうなのかと思います。もしこちらがドメインの有効期限1日前にドメインの更新をしようとしたらどうなっていたのでしょうか。

教訓

ドメインは突然取り扱いが終了するかもしれないので、ドメインの更新は余裕をもって行いましょう。取り扱いが終わるという異常な事態においては、普段は一瞬でできるようなことにも一週間とか平気でかかります。

いや突然取り扱いが終了するってなんだよ普通はありえないだろそんなの